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vol.62 「熟年離婚」を回避するために 欧米諸国に比べ低い日本の夫の家事・育児の分担率

2020-07-30
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画像はイメージです



昨年8月、カリスマ予備校講師として一世を風靡(ふうび)した「金ピカ先生」こと、佐藤忠志氏が亡くなった。一時はタレントとしても活躍した人物だけに、まだ68歳の若さで孤独死というニュースに衝撃を受けた人も多いだろう。
地域包括支援センターのスタッフが訪問したが返事がなく、遺体で発見されたというが、亡くなる1年半ほど前に長年連れ添った奥さんとも別居状態だったという。

まさに、人生100年時代というが、今や「熟年離婚」で生活が一変し、精神的にも金銭的にもストレスを抱えて、寿命を縮めてしまうケースが増えているらしい。
2012年のデータなので少し古いが、日本の夫は世界でもまれにみるほど「家事や育児を分担しない」傾向が高く、当時の調査対象国33カ国の中で最下位だった。
欧米諸国が「18歳未満の子どものいる夫婦」の夫の家事・育児の分担率がおおむね30%を超えていたにも関わらず、日本は18%という極めて低い数字であり、日本の次に分担率の低いチリでも約25%の分担率だから、日本の分担率の低さは際立っていることにはあらためて驚いた。

さらに、社会生活基本調査(17年総務省)では、6歳未満の子を持つ夫婦の家事、育児分担時間として、夫は1日49分、妻は3時間34分と、その差は大きい。
妻がフルタイムの共働き世帯であっても夫の家事、育児の平均分担率が引き上がることはないという。当然、日本の女性は自分の家事・育児分担量に対して大きな不公平感と不満を抱くことになり、結婚生活が長くなると、それを強く感じる瞬間があるという。
例えば、熟年離婚した60代半ばのAさんのケースは、実家の母親が体調不良という知らせを受け、様子を見に行こうと、夫に電話して夕飯は外で食べてきてほしいと伝えたところ突然怒りだし、仕方なく夕食を用意してから出かけたそうだ。

終身雇用制度も年功序列制度も崩壊した今、女性の社会進出が進んできているが、まだまだ日本の男性偏重社会が生き残っていて、男は仕事、女性は家庭という意識をもってしまいがちだが、それはもう通用しないことを知るべきではないだろうか。
人生100年時代を生き抜くためには、過去の遺物のような意識を捨て、普段からの気遣いを忘れないことが大事なのだと思う。




=夕刊フジより転載


 

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このコラムを書いた人:「オヤノコト.マガジン」編集長 大澤 尚宏(Osawa Takahiro)
著書『そろそろはじめる親のこと』(自由国民社)

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