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vol.66 福祉先進国スウェーデンに学ぶ「介護の担い手」問題 施設介護はほとんどなく在宅介護が圧倒的

2020-08-27
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画像はイメージです



先日、東京都新宿区にある介護型の有料老人ホームを見学してきた。
その老人ホームはまるで都心のリゾートマンションのような作りで、こんな環境で老後を暮らせたら穏やかに過ごせるだろうなと思わせるような施設だったが、果たして「こんな豪華な老人ホームに入居できる人がこの先どれだけいるのだろうか?」と考えると複雑な気持ちにもなる。国は在宅介護を前提に地域包括ケアを推進してきたが、その後も老老介護、介護破産、介護殺人など問題が山積している。「人生100年」とはいうが、この先介護の問題をどうクリアにしていくのかは大きな課題であろう。

ふと、スウェーデンなどの福祉先進国では施設入居はどうなっているのか気になり調べてみると、施設介護はほとんどなく、在宅介護が圧倒的であるという。
さらに、スウェーデンはOECD(経済協力開発機構)の国別幸福度ランキングで上位の常連であり、平均寿命も80代と日本人と変わらないが、日本では150万人~200万人はいるといわれる寝たきり老人がほとんど居ないそうだ。

施設介護が少ないなら在宅で介護を家族がしているのかといえばそうでもない。もともとスウェーデンでは子供と一緒に暮らさないことが文化だといい、夫婦2人から独居の高齢者がほとんどで、子供と暮らす高齢者はわずか4%といわれている。日本ではその数が44%というからその違いは一目瞭然だ。

では、高齢者の介護は誰が担っているのか? それは、「コミューン」と呼ばれる自治体によるサービスが提供するのが基本で、その方針の前提が在宅介護なのだという。つまり、介護の負担はすべて国や自治体がするものとなっており、家族にその負担をかけないことが当然のこととなっているらしい。

日本では介護は「3K」といわれ人材不足が続いているが、スウェーデンでは介護が重要な雇用機会の創出になっていて、介護に関わる人材は安定した公務員として経済的に困窮することもないらしい。
その根底には「国はひとつの大きな家族である」という発想が定着していて、家族が介護のために経済的負担を強いられることがないのだという。

これから先、ますます加速する高齢化、手をこまねいている暇はない。日本は効率化と合理性をもって社会的課題に取り組むべきだとつくづく思うのである。




=夕刊フジより転載


 

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このコラムを書いた人:「オヤノコト.マガジン」編集長 大澤 尚宏(Osawa Takahiro)
著書『そろそろはじめる親のこと』(自由国民社)

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