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リタイア後の生き方② 離婚を経験、両親も他界、任されていた事業失敗…出合った「従流志不変」の言葉

2021-02-19
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「エドヤガレージ」江戸理さん(撮影:フォトグラファー 八幡 宏)



前回に続き、都内の某大手文具メーカーに勤めながら、神奈川・二宮の地で仕事とプライベートを両立させ、さらに、その地元で自分の趣味を生かしたガレージハウスで若者たちの地域活性化活動に自身の経験やネットワークを伝えつつ、自分も人生を楽しんでいる江戸理さんについて書きたい。

江戸さんは、もともとはバリバリ野心家のサラリーマンだった。大学のデザイン学部を卒業後、大手文具メーカーに就職し、持ち前のバイタリティーと前例を恐れないチャレンジ精神で突っ走ったという。
そのころのことについて江戸さんに訊くと、「あの頃は怖いもの知らずで、とにかくがむしゃらに前向いて突っ走っていました」と笑う。

そして、1999~2000年ごろ、SOHO向けの家具の通販事業のプロジェクトに参加するが、ここでも奮起してさらに自身にチャージをかけていったらしい。
まさに、典型的な仕事人間だったようだが、日々の残業のおかげ(?)で毎月のお給料がボーナス並みだったとのことで、ずっと気になっていた「スーパー7」を2年分の残業代を手に、この事業に携わった記念として購入したという。

仕事に忙殺されながらも充実した日々、欲しい車も手に入れて何も不自由を感じない(感じる暇もない)若かりし日々だったようだ。
だが、それも05~06年ごろから転機が訪れ始める。

「それまでは仕事もプライベートも充実した生活をおくっていたのですが、ちょうどその頃に離婚を経験し、その後ほどなく両親も他界しました。そして任されていた事業が失敗に終わり、会社での地位も失いました。この時期は、『自分には何も残ってない』『何をしたらいいのか分からない』と感じ、本当にどん底の時期でした」と語る。

そんなときに、「従流志不変(じゅうりゅうこころざしふへん)」という言葉と出合った。この言葉は「難問を前に立ち往生したら、一旦流れに身を委ねよ。ただし、志は忘れるな」という意味。一旦、周りを静観することができたことで、いろいろな気づきにつながったのだと教えてくれた。

人生には節目節目に気づきがあり、成長する機会が訪れる。それを見過ごして年齢を重ねていると、人生100年も退屈なものになってしまうかもしれない。



=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。

 

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このコラムを書いた人:「オヤノコト.マガジン」編集長 大澤 尚宏(Osawa Takahiro)
著書『そろそろはじめる親のこと』(自由国民社)

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