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介護リスク高める「低栄養」に備えを

2018-06-15
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高齢者に関わる仕事をしていると、「低栄養」という言葉を耳にすることが多い。飽食の時代に「低栄養なんて!」と思う人もいるだろうが、高齢の親をもつ世代には知っておいてもらいたい言葉だ。

自立型の老人ホームに入居した高齢の夫婦に入居の理由を聞くと、「3食を作るのが面倒になった」と答える妻が多い。高齢になると、食事を作るのも食べるのも面倒になってしまうものなのだ。
高齢の親を持つ人は、自分の親がきちんと食事を取っていると断言できるだろうか?
もちろん、離れて暮らす親の食生活を監視するわけにはいかないが、同居していても昼間は一人っきりという親(いわゆる日中独居)が昼に何を食べているかまで把握している人は少ないだろう。

実際、夕刊フジの読者の中にも、義理の母親が昼食を抜いてしまうことに悩んでいる人がいた。自分1人の分だけ食事を作る気力がないため、食事を抜くか簡単に済ませてしまっているのだろうが、そのような生活を繰り返した結果、低栄養になってしまうと、さまざまなリスクを抱えることになる。

国立長寿医療研究センターが、在宅医療患者の高齢者を対象に2012年に調査した結果によると、低栄養の人は37・4%だった。それに「低栄養のおそれあり」も加えると、70%にも上ったという。
低栄養になれば、免疫力が低下して病気にかかりやすくなったり、歩くのが遅くなったり、歩けなくなるなどの症状が出るとされている。その流れで寝たきりになり、要介護状態になるリスクも高まる。

また、認知機能や筋力の低下、骨量減少などの症状も出やすくなる。米国の研究では、低栄養は病気の回復が遅くなるだけでなく、合併症の発症率も高くなるという結果が出ている。介護離職が気になる世代は、親の低栄養にも気を付けたいところだ。

とはいえ、高齢期の親に「栄養のバランスを取って、3食しっかり食べてよ」と言っても、そう簡単に解決する問題ではない。管理栄養士に親の食事の面倒をみてもらうのが理想だが、普通は難しいだろう。

次善の策として㈰食事の宅配サービスを利用する㈪市販のユニバーサルフードや栄養補助食品を利用する、などを頭に入れておくといい。最近は栄養バランスをしっかりと考えた宅配サービスが普及しているし、栄養補助食品などの専用コーナーを設けたスーパーも増えている。対策は意外と簡単にできるのだ。
同時に、たまには親と一緒にコミュニケ—ションをとりながら楽しい食事の場を設ける、ということも大切な「低栄養対策」だ。

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このコラムを書いた人:「オヤノコト.マガジン」編集長 大澤 尚宏(Osawa Takahiro)
著書『そろそろはじめる親のこと』(自由国民社)

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