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vol.4 将来を考えて、今から何を準備すべきか? 

2019-04-25
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前回、「将来、誰に面倒をみてもらうかが課題」と述べたが、特に「介護」については切実な問題である。高齢者のすべてが要介護状態になるわけではないが、加齢に従い要介護率が上昇することは間違いない。脳卒中をはじめとするさまざまな病気、ケガなどで身体機能が低下したり、認知症で生活上の障害が起こることで介護が必要になる。そのとき、誰かに介護してもらえなければ生きていくことはできない。  
その場合、最も身近な「介護してくれる人」は配偶者や子供ということになるが、そうした親族がいないとか、いても頼れないとなると悩ましい。  
「介護保険があるから大丈夫」と漫然と考えている人もいまだに多いようだが、安易に構えてはいけない。すでに介護保険制度は行き詰まっているといっても過言ではないし、そもそも万能ではないからだ。  
では、介護保険制度は誰のためにあるのか。介護が必要になった当人のためと思われがちだが、成り立ちから考えればむしろ介護する人を助けるための制度と言えるかもしれない。  介護保険制度がスタートしたのは2000年4月。19年も前のことだ。その頃、わが国は核家族化が進み、家族内で介護が必要な人が出ると在宅介護破綻を招くおそれが増大していた。  
一方で、在宅介護を推進したい国の事情から、「在宅で介護をする家族の負担の一部(全部ではない!)を公的な介護サービスで対応し、介護をする家族の負担を軽減させて、在宅介護破綻させない」ために施行されたのが介護保険制度の本質である。  
要するに、介護保険制度とは身近に介護してくれる家族がいることを前提とした制度なのだ。そのことを忘れてはならない。  
しかし、2019年現在、核家族化はさらに進み、身近に介護してくれる人のいない「独居世帯」が増加している。おひとりさま(1人暮らし)で介護が必要な状態になるとどうなるか。要介護の度合いにもよるが、身近に介護してくれる家族がいない場合は、介護保険サービスの利用だけでは到底生活が続けられなくなるのが現実だ。  
家族に求められる部分も含めて、すべてを介護を介護保険サービスでまかなうことが現実的に不可能なのだとすれば、50代の元気なうちから施設などの利用を視野にマネープランや相続について専門家のアドバイスを受けておくべきだろう。
=夕刊フジ2019年4月25日より転載

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このコラムを書いた人:「オヤノコト.マガジン」編集長 大澤 尚宏(Osawa Takahiro)
著書『そろそろはじめる親のこと』(自由国民社)

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