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Vol.2生前対策として~遺言書の重要性

2017-10-04
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前回お話ししました「遺言書」のお話の続きです。「遺言書」のこの制度を大きく分ければ、よく「自筆証書」と「公正証書」の2つが挙げられます。近年は10人に1人が「遺言」を作成していると言われますが、それぞれにメリット、気を付けなければならない点があります。また、「遺言」を作成するタイミングなども気になるもの。今回は、残念な結果にならないための「遺言作成」についてお話します。

自分で作成する「自筆証書」。手軽な反面、不備が多く相続が争族になるケースも多い

「自筆証書」はその名の通り、遺言者が「自筆」で作成する遺言書となります。
「いつでも」、「どこでも」、「費用かからず」、作成することが出来ます。
ただし、その気軽さの反面、保管場所が専ら自宅などになるため、「紛失」や、最悪の場合、遺言の内容が発見者の意思に反する場合は破り捨てられるなどの「滅失」をされるおそれもあります(もちろん、そんなことをすれば、その人の相続権が無くなることにもなりますが、今回は深く触れないでおきます)。

そして、発見された遺言でいざ!銀行や不動産の名義変更の手続きを進めようと思っても、「自筆」の場合、その前に家庭裁判所による「検認」という手続きを行わないと実際に名義変更など一切できません。「検認」を行う際は、亡くなった方の死亡から出生まで遡った戸籍など、集める書類が多く、さらには相続人全員などの立会いが必要となるのですが、立会い場所はもちろん裁判所であり、指定される日時も平日です。この日時を指定された書面が相続人などに届いて、実際に行かなければならない、という、意外に面倒な作業や負担が必要となります(なお、「検認」を申し立てた人は必ず出席する必要があります)。
「検認」は、あくまで裁判所が形式上関与するだけで、「遺言の有効性」を保証するものでは全くありません(これを勘違いしている人は本当に多いです)。「検認」したのに「作成上の不備」で、結局何も手続きできなかった・・・というケースもあり、最近はこれをよく見ます。

近年は「遺言」を作成している人が増えており、亡くなった方の10人に1人は作成していると言われています。そのため、東京など人口が多い(亡くなる方の絶対数が多い)地域では申し立ててからなかなか通知が来なかったり(もちろん、その間に手続きは何も進められません)、実際に「検認」後の人たちを見ると、その場で揉めだす方たちや、弁護士がいきなり登場して、結果、裁判沙汰にもなっているケースを見かけます。
「ドラマの世界」ではなく「現実」で、本当に残念で、失敗した、「相続」ではなく「争族」です。

公証役場で作成する「公正証書」。費用はかかるが、揉めるきっかけを減らすことができる

もう一方の「公正証書」については、「自筆証書」で起こる可能性のある、「作成上の不備による無効」、「紛失」のおそれなどがありません。
こちらは、「公証役場」というところで、「公証人」という方に作成してもらう遺言書です。
費用がかかる、ということで敬遠される方がいまだに多いですが、もし揉めた場合の消費額(訴訟費用やお金じゃ解決できない親族関係)を考えれば割安で、さらに、前述のような「検認」手続きは一切不要で、すぐに不動産や預貯金の名義変更をすることができます。つまり、手続きの際に、相続人全員の同意を取る必要がないのです。
そのため、分割のために相続人全員が集まり、分割の話合いも自然と行わずに済みますので、結果、揉めるきっかけを確実に減らすことができるわけです。

「うちの家族は仲が良いから揉めないし、遺言書なんてわざわざいらないよ」と言われる方もよくいますが、相続が発生した際、例えば相続人が仕事などの都合で遠方(最近は海外勤務される方も増えています。)にいると、なかなか話し合いが進まず、財産の手続きが出来ない、という不便さを相続人が味わい、私にも相談の際に、「揉めてはいないのですが、亡くなった親父には遺言書くらい作ってもらえてたら手続きが楽で助かったのになぁ」なんてつぶやく(愚痴?)方も増えています。

「遺言」を作成するタイミングはいつ?

「遺言を作成するタイミングはいつがよいか?」と、聞かれることが多くあります。
最近は作ろうとした時点で、ご本人が体調不良や認知症などで意思能力が無い状態になっていまい、作成が進められない、作成できない、というケースが増えています。
結論をいうと、作っておいてもいいかなぁ・・・と思った時に作るのが絶好のタイミングだと思います。「あとでいいや」と思っていると、ずっと「あとでいいや」で、そのまま相続を迎え、相続人たちからも生前「作っておく」なんて口癖のように言ってたのに作ってないじゃないか!というやり場のない怒りの姿を見ることも本当に多くなりました。
作成の場合は、ぜひとも「公正証書」を検討してください。
 

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このコラムを書いた人:「オヤノコト」相談員 飯島正博
相続に関する様々なことについて悩みの解決をすることができ、余計な費用負担を抑える提案もします。もちろん、お金だけでは解決できない相続のお悩みも是非ご相談してください。きっと、解決方法が見つかります。 ●資格 行政書士、宅地建物取引士、マイナンバー管理士 (OAG税理士法人 職員)

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