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親が老人ホームに入居。そのとき、親の「持ち家」どうする?

2017-09-13
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親が老人ホームに入居することが決まったとき、これまで住んでいた〝家?はどうすればいいのでしょう。誰も住まなければ〝空き家?になってしまいます。放置しておくと、建物の劣化は進み、防犯上も課題があります。それなのに、固定資産税の支払いは続くことに?
リスクを軽減し、何とかうまく活用する方法はあるのでしょうか?
税理士・斎藤英一先生にお話を伺いました。

〝空き家〟にはリスクがあるが…

親が老人ホームに入居することになると、親の「持ち家」をどうすればいいのだろうか?
「オヤノコト」世代にとって悩みの種です。
そのまま誰も住まずに放置すると、建物は劣化し、不法侵入や不法投棄の心配も生じます。それどころか、「空き家対策特別措置法」では、倒壊の恐れや衛生上問題のある空き家(「特定空家」)は、その所有者に対して市町村が撤去や修繕を勧告・命令できることになりました。勧告を受けると固定資産税の特例を受けられなくなり、大幅に増額されるケースも……。
こうした課題を解決するために、「売却」したり、「賃貸」にしたりする方法も考えられます。ただし、親の家である以上、大切なのは親の意思。また、その〝家〟の立地などさまざまな条件により、より良い選択は個別に違ってきます。

どうするかで「税金面」にも影響

そのまま維持、売却、賃貸、いずれにしろ生活上、税金上、影響は生じます。
「親の自宅なので、まずは親御さんに『残さなくていいのか、残したいのか』を確認することから始めてください。『残さなくていい』なら売却を検討してもいいでしょう。『残したい』なら、将来的にそこに暮らす人がいるのか、いないのか考える必要があります」と斎藤先生。

売らないのなら、いずれ「相続」が発生すれば自宅も「相続」の対象となります。老人ホームなどの施設に入居した場合でも、相続前に介護保険の「要介護・要支援」認定を受けていれば、「小規模宅地」の減額特例を使うことができ相続税が軽減される可能性があります。親の施設入居が決まったら、その自宅の処遇について家族みんなでメリット・デメリットを考えてみましょう。後々の相続とも大きな関わりがあるので、きょうだいとの対話も忘れずに。不明な点は、税理士などの専門家、あるいは自治体の「空き家バンク」担当窓口等に相談しながらベストではなくてもベターな方法を選びたいものです。

「オヤノコト」のポイント

親の「持ち家」は、親世代の気持ちを第一に考えて。家族みんなでじっくり話し合うことが大切です。
それぞれの方法別に、メリット・デメリット、そして税金面での注意点についてまとめてみました。

方法1 売却してお金に換える

■メリット
親世代の入居費用や毎月の生活費として使うことが可能。

■デメリット
思い出の詰まったわが家(実家)がなくなる。ホームを退去しなければならなくなったときに戻る場所がなくなる。

■税金面での注意点
売却するなら、「3000万円特別控除特例」を利用できる期間内に。特例期間後の売却だと、控除を利用できない。ただし売却後、早期に親が亡くなると、資産総額が増え相続税が高くなることも。

方法2 賃貸にして家賃収入を得る

■メリット
親世代の毎月の生活費として使うことができる。

■デメリット
借り手が見つからなければお金にならない。最初は借り手がついても、途中で空き家になる可能性もある。「マイホーム借上げ制度」では、家賃が途絶える心配はないものの、そもそも借り手がつくかは不明。

■税金面での注意点
不動産収入を得ることになるため、確定申告が必要に。手間は増えるが、固定資産税や維持費を経費にすることができる。築浅の物件であれば、家屋を減価償却することも。
 

方法3 古い家屋を壊して更地にする

■メリット
コインパーキングにするなど活用できれば収益を得られる可能性がある。

■デメリット
家屋の解体費用が発生。そもそも採算が合うか判断が難しい。

■税金面での注意点
家屋解体後は住宅用地に係る特例が受けられず、固定資産税が高くなる。

方法4「オヤノコト」世代が住む

■メリット
子世代が賃貸などに暮らしている場合は、その家賃が不要に。実家を継承できる。

■デメリット
実家が子世代の生活圏になければ、その選択はムリ。きょうだいがいる場合、誰が住むかでもめるケースも。

■税金面での注意点
将来、相続が発生したときに相続人の間で、利益を享受した(家賃を払わずに暮らした)と、もめる可能性がある。

方法5 そのまま

■メリット
時々は、親は施設から自宅に帰ることができる。

■デメリット
家屋の維持費がかかる。

■税金面での注意点
「要介護・要支援」認定を受けていれば、施設に入居していても、相続時に相続税が減額される可能性がある。

お話してくださったのは
税理士・行政書士・ファインナンシャルプランナー、
税理士法人斉藤会計事務所 代表税理士
斎藤英一先生
著書:「親子で進める二世帯住宅節税」(経営者新書)など多数

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