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ツクイ・サンシャイン杉並(東京都) 介護付有料老人ホーム

「親に長生きをしてもらいたい」と願う、子世代の気持ちを叶えてくれる介護型の老人ホーム

2017-12-19
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▲高い天井と大きな窓。開放的なエントランス


親を老人ホームに入居させることは、子世代にとって大きなハードルです。自分たちがいるのに・・・自分がもっと頑張れば・・・と思うことも多々あります。ましてや、介護型の老人ホームだと、「うしろめたい」というネガテイブなイメージがあるのではないでしょうか。

ところが、自宅での生活を続けたいと思う親世代の意向に沿って、介護度や日常生活動作の維持改善に取り組む通所施設だけでなく、最近では、老人ホームのような入所施設でも「自立支援」に積極的に取り組むところが増えてきました。
そこで、在宅介護サービスのノウハウをいかして、入居者の心身をサポートして機能回復を促し、自宅に戻ることも視野に入れた「自立支援」に取り組んでいる、老人ホームを取材してきました。

毎日の何気ない動作がリハビリに

▲居心地のよい居室

西武新宿線「下井草」駅から徒歩5分。
線路に沿って歩くと、住宅街の一角に、「ツクイ・サンシャイン杉並」が見えてきました。玄関を入ると、中庭に面した天上が高く明るい開放的なロビー。まるで高級マンションのエントランスのよう。介護型ホームとは思えない明るい雰囲気とゆとりの感じられるつくりにびっくりしました。

さっそく館内を見学させていただくと、このホームならではのこだわりが随所に感じられました。2階のフィットネスルームには認知症予防に効果のある『コグニバイク』(※)など充実した機器が設置されているのは言うまでもなく、若いスタッフが熱心に入居者にトレーニング指導している姿には、「ここまで親の生活リハビリをしっかりとやってくれるなら、自分の親を入れてもいいかな」と、つぶやく編集部スタッフも。

さらに、フィットネスルームの横には入居者が自分で料理することができるミニキッチンも設置されていたり、出来るだけ自分で脱ぎ着してもらおうと棚の脇に手すりのついた脱衣所、「できるだけ下剤を使わずにすむように」と、居室内のトイレには腹圧のかけられるよう前面にバーがあるなど……。どれも親の自立を支援するためのこだわりです。

※「コグニバイク」は、コグニサイズのバリエーションの1つです。コグニサイズは国立長寿医療研究センターの登録商標です。(登録5733131)

▲フィットネススペース。お一人おひとりに合わせたプログラムを行っています

▲車いすのまま入浴できる広いスロープつきの一般浴室。身体状況に合わせて、一般浴槽、特殊浴槽があります

▲つかまりながら自分で脱ぎ着できるようにと、脱衣室の手すりを設置

自立支援のためヒアリングで目標を見出して、お一人おひとりに寄り添う

▲「ツクイ・サンシャイン杉並」施設長の佐川 淳さん

▲心の面でも寄り添えるようにと、入念なスタッフミーティングを重ねています

「お元気になって、自宅に戻っていただきたい」とは、――案内をしてくださった施設長の佐川淳さんが何度も口にしていた言葉です。老人ホームは高齢期の「終の棲家」だと考えがちですが、施設長みずからこの言葉を発せられたことに、取材した編集部も、少なからず驚きを覚えました。

佐川さんにさらに詳しくお聞きしてみると、「ご入居者がこれまでどんな生活をされてきたのか、やり残したことはないのか、ここでどんな生活を送られたいのか」について、入居の前後に時間をかけて、時には数名でご自宅訪問までしてしっかりヒアリングしているそうです。

その情報をもとに、お一人おひとりの目標を見出し、ご自分でできることを維持したり増やしたりすることが心身の機能改善につながっているとのこと。「そのためには心身両面からのサポートが欠かせません。身体面は、専門職をはじめとした職員の取り組みによって実現に近づいていますが、心の面でも寄り添えるようになりたいと、思っています」と、佐川さん。年2回の運営懇談会を通じて、ご入居者とそのご家族からも直接ご意見をお聞するなど、ご家族との関係も重視しているそうです。さらに、ご家族に毎月写真つきで送られる生活レポートは好評だそうです。

正直なところ、ツクイさんは在宅介護サービスで大手企業、従業員数だけでも約2万人という規模なので、実のところ編集部としてもそこまできめ細かく個別対応をされていると思っていなかったのですが、実際に訪ねてみて、良い意味で期待を裏切られたという印象です。

専門職が連携することにより、日常生活でもリハビリ効果が!

▲専門職が連携してお一人おひとり合わせたリハビリプランを提供しています

▲左より、理学療法士(PT)・伊多波さん、言語聴覚士(ST)・松田さん、作業療法士(OT)・佐藤さん


このホームの自立支援の取り組みにおいて、特徴的なのが充実した専門職だと言えるでしょう。「理学療法士(PT)は週4日勤務ですが、言語聴覚士(ST)、作業療法士(OT)は常勤で、3領域の機能訓練指導員が揃っているのは、強みです」と佐川さん。さらに自立して生活したいご入居者には、週に2回の機能訓練だけでは足りないと、各専門職と介護士が連携を取り、日常生活の中でできるリハビリ(生活リハビリ)まで行っているということには驚きました。

そこで、具体的な取り組みについて、言語聴覚士の松田美紗希さんにお聞きしました。
「ホームではいろいろな専門職が働いているので、ご入居者のケアをするに当たって連携は不可欠です。たとえば、介護士が付いて食堂までの歩行を促す。誤嚥なく食事できるように管理栄養士と連携、言語聴覚士は飲み込みを見る一方、作業療法士の協力で自助具を使ってご自分で食事できるようにするといったように、多角的に支えています」。

松田さんは機能訓練以外でも理学療法士と作業療法士と密に情報を共有するとともに、介護主任、管理栄養士、看護師ともこまめに情報交換することを意識しているとのこと。また松田さんが連携の窓口となって積極的にコミュニケーションをはかり、日ごろから情報を仕入れるようにしているといいます。こうしてカンファレンスなど会議の場だけでなく、インフォーマルな情報連携が効果を上げているのでしょう。

介護職員と連携しながら、生涯「口から食べる」ためのケアを提供

▲管理栄養士の河村拓朗さん。言語聴覚士と作業療法士と連携した、食事を提供しています

高齢の親に大切な「栄養ケア」は、管理栄養士の河村拓朗さんが取り組んでいます。言語聴覚士と作業療法士、協力歯科医などと連携して入居者の状態変化を把握したうえで、口腔機能が低下したご入居者にはエネルギー量を上げられるよう補助食品や間食を提供するというように、栄養科でできるケアを提供しています。
 

▲試行錯誤のすえ完成した食堂のテーブル。
このゆるやかなカーブのおかげで、
テーブルをつかみながら立ち上がりがラクに

もちろん、食の楽しみを提供することにも注力。「嗜好はお一人おひとり違うので、食事を楽しんでいただけるように、ご要望をお聞きしています」。ホーム内のレクリエーションにも参加して、ふだんからコミュニケーションを取るように心がけているという河村さんにプロ意識を感じました。
また、昼食と夕食は8種類(!)のメニューから選ぶことができますが、それも、事前予約制ではなく、その日に栄養科の職員が居室を回って注文を聞いているのも嬉しい限り。

とは言え、これまでの取材経験から老人ホームの食事はどうしても画一的、効率的になりがちなのは仕方がないと思ってきましたが、「今後はレストランのように、席について注文できるようにしたいです。すべて食べてくださることが、満足の証拠です」という河村さんのコメントに、入居者ファーストの姿勢、そして職員一人ひとりがやりがいを感じているホームなのだと伝わってきました。

▲ある日の昼食。メンチカツとかぼちゃのコロッケ、スパゲティナポリタン、金時豆、ブロッコリーとホタテのサラダ、みそ汁、ご飯

▲週ごとに変わるメニュー。昼食・夕食は8種類からお好みのものを選ぶことができます(朝食は和食と洋食から選びます)

休憩室や託児所は、働いている職員を大切にしたいという想いから

▲託児所があるおかげで、職員のみなさんも安心してケアに集中して働けると好評だそうです

ところで、編集部が今回の取材を通して、このホームへの信頼感を持った点が、もうひとつあります。それは職員を大切にしていること。
例えば、広い休憩所を用意してゆっくり休めるように配慮したり、託児所を設けるなど、職員の立場を考えたこだわりがありました。それがケアの質の向上につながるのは言うまでもないでしょうが、託児所の子どもたちと入居者が接する機会もあるとのこと。いつも接している職員の子どもたちなので、より愛着がわき、良い刺激になりそうです。職員を大事にするホームなら、安心して親を任せられるという人も多いのではないでしょうか。

また、いくらホーム運営側が介護理念を唱えても職員全員に響かないと意味はありません。「介護のスキルはいくらでもつけられますし、それだけの研修も実施していますが、想いの部分を共有することは一朝一夕にはできません。ご入居者から聞き取ったことやアセスメントの内容は、直接全職員に伝えることで、確実に共有できるようはかっています」(佐川さん)。

ほかにも、24時間看護師が常駐しクリニックも併設するなど、健康管理面でも万全のサポート体制を取っています。「看護師の拡充をはかり、夜間の休憩をまとめて取れるようにしたい」と、ここでも佐川施設長からスタッフを大切に想う言葉が。老人ホームは入居者とスタッフがひとつの家族のようなもの、「老人ホームは人で決まる」と編集部が常々訴えている言葉ですが、親にとって安心の暮らしを実現するのは、設備だけでなく、「人」ということになるのは間違いありません。

「ホーム入居を後ろめたくなく、胸を張って長生きしてもらえます」

ホームでの生の感想を聞くには入居者にお話しを伺うのが一番、そこで、ご入居者の安藤米子さん(87)とご長男の佳幸さん親子にお話を伺いました。お会いして編集部が驚いたのは、(事前に佐川施設長からお渡しいただいた)「オヤノコト.マガジン」を熟読されていて、ポイント部分に赤いラインを引いてくださっていたこと。そして、「親の本音、この本音に、施設の本音も入れるべきだよね」とアドバイスまでいただいたこと、このホームや職員の皆さんを信頼されていることが伝わってきます。

▲ご入居者の安藤米子さんとご長男の佳幸さん

まず、ご入居の経緯から。
入院していたお母様の米子さんが退院することになったものの、骨折した経験もあったことから自宅に戻ることに不安を感じた佳幸さん。そこで、自宅から近い「ツクイ・サンシャイン杉並」を見学して(前施設長から)話を聞いたのだそう。

「職員の採用面接で『趣味を聞く』という言葉が気に入りました。趣味のある職員なら笑顔で入居者に接することができると思ったのです」と佳幸さん。同時に、職員を大切にしていることも評価につながったといいます。「職員のための託児所があると聞き、このホームなら信頼できると思いました」と、自らも企業経営者である佳幸さんにとって、職員を大切にするという方針には強く共感できたようです。

ところで、インタビューの場におしゃれなグリーンの洋服に帽子をコーディネートして現れた米子さん。お話しを伺うとこれまでアクティブな生活を送ってきたことが良く判りました。世界中を旅行し、ゴルフや運転など趣味も多彩。大好きなクルマを乗り回すという行動派、今は運転の代わりに、フィットネスルームにあるコグニバイクのハンドルを握っていますが、認知症予防のための画面を見ながらバイクを漕ぐトレーニングが米子さんの目標となっているとのこと。またおしゃれ好きな米子さんにとって、毎食ごとに階下の食堂に行って食事を摂るのは、生活の張りにもなっているようです。「三度三度着替えてレストランに行っています。歩行訓練になって、足も丈夫になりました」と佳幸さんは喜びます。

「『オヤノコト.マガジン」に書いてあったとおり、親の本音と子どもの本音は違いますし、その本音も十人十色。でもツクイ・サンシャイン杉並は、私たちと頻繁にコミュニケーションを取って、それぞれの希望が実現するよう互いの本音が重なる部分を探してくれています。母の目標は108歳まで生きて、自社ビルを建て替えること。ここなら、親をホームにお願いすることにうしろめたさを感じることなく、胸を張って、親に長生きしてもらえます」(佳幸さん)。

▲安藤米子さん、ご長男の佳幸さん、お孫さんの将太郎さん(取材と聞いて駆けつけてくださいました)。「規則正しい食生活とリハビリ、レクリエーションのおかげで母は、とても元気です」

▲ご家族の時間を大切にしている安藤さんは、楽しい時間をいつもまとめています

「オヤノコト」編集長より

「ツクイ・サンシャイン杉並」の印象は、まずスタッフが若いこと、施設長の佐川さんが職員とのコミュニケーションを大事にしていること、そして、館内が開放的であることの三点だと思う。また、館内のトレーニングルームには体成分の均衡状態が計れるInBody測定器もあり、ここが介護型のホームなのかと驚いたが、入居者お一人おひとりにしっかり寄り添うケアは特筆すべきポイントであろう。ただ、取材時にいただいた昼食は美味しかったが、「親世代には少し量が多いのでは?」と感じた。
 

施設の類型および表示事項
■所在地/東京都杉並区下井草4-31-2■類型/介護付有料老人ホーム(一般型特定施設入居者生活介護)■居住の権利形態/利用権方式■利用料の支払い方式/選択方式■入居時の要件/自立、要支援・要介護■介護保険/東京都指定特定施設入居者生活介護、介護予防特定施設入居者生活介護■居室区分/全室個室■一般型特定施設である有料老人ホームの介護にかかわる職員体制/ 2:1以上 ■事業主体/株式会社ツクイ

  

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