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「オヤノコト」相談員に聞く 認知症保険ってどんなもの?

2019-01-31
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厚生労働省のデータによると、介護が必要になった主な原因の第一位は、認知症。要介護者の約25%を占めています。
また65歳以上の認知症患者は2012年で462万人、それが2025年には730万人に達する見通しです。これは実に65歳以上の約5人に1人が認知症になるということです。人生100年時代。認知症は決して他人事ではありません。そんな危機感の高まりを象徴するように、認知症保険が注目を浴びています。  
認知症保険とはどういうものなのか、「オヤノコト」相談員でファイナンシャルプランナーの髙井豪さんにお話を伺いました。

軽度認知障害で一時金がもらえる ひまわり生命「Linkx 笑顔をまもる認知症保険」

認知症保険とは、認知症と診断されると、一時金または年金という形で給付金がもらえる保険です。認知症保険を出している4社の認知症保険について、見てみましょう。  

まず、損保ジャパン日本興和ひまわり生命(以下、ひまわり生命)の「Linkx(リンククロス)笑顔をまもる認知症保険」は、引受基準緩和型の保険です。引受基準緩和型の保険は、医療告知項目が少ないので高齢でも入りやすいのですが、その分保険料は割高になります。 「Linkx 笑顔をまもる認知症保険」の大きな特徴は、軽度認知障害(MCI)と診断されたら、一時金がもらえること。MCIは認知症の前段階で、いわば「認知症予備軍」です。
この段階で適切な予防対策を行うと、26%の人が健常者へと回復したという研究データがあります。そこで一時金を予防対策や認知症の検査費用に充てて認知症になるのを予防することができれば、契約者にとってメリットの大きい保険と言えるでしょう。
またひまわり生命でも、契約者に無料で機能低下予防サービスを提供しています。
さらにこの保険は、介護一時金特約をつけることができます。要介護1と認定されると一時金が出るというのは、生保業界では最高水準です。

朝日生命「あんしん介護 認知症保険」 要介護1と認定されれば保険料を支払わなくてよい

朝日生命の「あんしん介護 認知症保険」は標準体の保険ですので、健康状態によっては加入することができません。「あんしん介護 認知症保険」の特徴は、認知症の有無にかかわらず、要介護1になると保険料を支払う必要がなくなることです。
ただし給付金の支払い条件は、認知症と診断され、かつ「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」のランクⅢ(※)、かつ要介護1以上と認定されたときとなっています。認知症と診断されただけでは、一時金や年金を受け取ることができないので注意が必要です。
※日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが見られ、介護を必要とする状態

予防給付金がもらえる 太陽生命「ひまわり認知症治療保険」

太陽生命の「ひまわり認知症治療保険」は、引受基準緩和型の保険です。この特徴は、予防給付金が出ることです。認知症にならずに過ごしたら、契約1年後から2年ごとに支払われます。
またこの保険にも給付金の支払い条件があります。認知症と診断され、かつ意識障害のない状態において見当識障害があると診断確定され、その状態が180日継続しないと給付金を受け取ることはできません。

第一生命「かんたん告知『認知症保険』」 緊急時、家族に代わって警備員が訪問

第一生命は、2018年12月に「かんたん告知『認知症保険』」を発売しました。
これは引受基準緩和型の保険で、85歳まで加入できます。医療告知項目は4項目のみ。他社と比較するともっともシンプルです。給付金の支払い条件は、認知症と診断され、かつ要介護1と認定されることとなっています。
さらにこの保険には、緊急時に家族に代わってALSOKが訪問するサービスが付帯しています。警報機器を使用することなく、利用者や家族からの電話依頼で警備員が訪問するサービスを提供するのは、生保業界初です。

認知症保険加入の情報を家族と共有し 「指定代理請求人」を設定しておこう

これまで見てきたように、認知症保険に加入する際のチェックポイントは以下のとおりです。

●告知項目が限定されている引受基準緩和型か、標準型か
●支払い条件:認知症と診断されただけで支払われるのか、それに加えて保険会社が設けている一定の条件があるのか
●削減期間:契約から1年間は給付金を半額にするなどといった「削減期間」があるか

そのほか、認知症保険が主契約なのか、特約なのかなど、保険商品の内容にはバラつきがあり、複雑なので、FPに相談してください。

なお、認知症保険に入っていても、認知症になると加入したこと自体を忘れてしまう可能性は少なくありません。
そこで家族と加入の情報を共有しておいてほしいと思います。保険会社によっては契約時に家族説明制度があるので、そこで情報共有をすることができます。さらにここでご紹介した4社は、本人に代わって家族が契約内容を照会できる「家族情報登録」、家族が代理で保険金の請求ができる「指定代理請求」制度を設けています。本人が給付金を請求できなくなっても、代理で請求できる「指定代理請求人」を設定しておくことをおすすめします。
またこれまで解説してきた認知症保険のほかに、損害保険会社が出している「認知症損害保険」もあります。「認知症」という名前がついていますが、損害保険です。認知症の人が線路内に立ち入って電車を止めたときの賠償責任が発生したり、行方不明になって捜索費がかかったりした場合に一定額が支払われます。

お話をお伺いした方

「オヤノコト」相談員 高井 豪
「終活」というと、その内容の幅はとても広く、具体的には(1)年金(2)介護(3)保険(4)相続(5)葬儀と供養の5 項目について知ること、問題を解消することがポイントです。皆さんが持っている課題はそれぞれ異なりますので、まずはどこに課題があるか? を知ることから一緒に始めましょう。
●資格 ファイナンシャルプランナー、終活カウンセラー上級インストラクター、終活アドバイザー、ドルコスト平均法アドバイザー(タカイ インターナショナル 代表)

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ライター:坂口鈴香(Suzuka Sakaguchi)
20年ほど前に親を呼び寄せ、母を看取った経験から、人生の終末期や家族の思いなどについて考えるように。施設やそこで暮らす親世代、認知症、高齢の親と子どもの関係、終末期に関するブックレビューなどを執筆 してきました。これまでに訪問した親世代の施設は100カ所以上、お話を聞いた方は数えきれません。今は「オヤノコト」が自分のコトになりつつあり、自分の変化も観察しているところ。