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「美齢学」っていったい何!?~その本質に迫る~

2019-06-21
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超高齢社会という現実の真っ只中にありながら、どうしても齢をとることをネガティブに捉えがちな文化であることは否めません。
そんな中で、20年前に「美容福祉」を提唱・実践し、10年前にジェロントロジーに出合い、
今また「美齢学」を構築しているのが山野学苑の山野正義総長。
そこで、その真意はどこにあるのか? 編集長が聞きました。

人生100年時代というけれど、このままで大丈夫なの? 日本!

大澤
山野総長が美齢学を強く推進していることは以前から存じ上げていましたが、まず、そのオリジンとなる「ジェロントロジー」を含めて、なぜ今、美齢学なのか?を教えていただけますか?
 
山野
私は米国に長く暮らしましたが、外から日本を見ていて、「とんでもない高齢社会になるな!」と思いました。医学の進歩で100歳まで生きられるようになったけれど、日本人は65歳以上の人生観が乏しい。孫の世話や庭いじりをすればいいと言われたって、100ー65=35です。35年といったら、生まれて学校を出て就職して結婚して家を手に入れる、それに匹敵する時間です。それなら、65歳からも大いに学び、自分らしく、いきいきと人生を闊歩していくべきですよね。 そもそも、ジェロントロジーとは、年をとることによって起きる変化を医学、心理学、生物学、経済学、法律学など幅広い分野から理解し、寿命が延びたことによる豊かな生き方を研究する学際的な学問なんです。

大澤
ジェロントロジーという単語もそうですが、老年学とか加齢学という日本語訳は我々にとってはとっつきにくくネガティブにとらえられてしまいがちのように思います。
 
山野
だから、私は敢えて日本語に訳さず、ジェロントロジーという言葉のまま普及に努め、ジェロントロジーを核として「生きるほどに美しく」をキーワードに、人生を生ききることを追求する美齢学を提唱したのです。もっとも、美容界の私が「美しく」と言えば、それは容姿のことだと思われるかもしれませんがそれだけではない。美しい人とは、いくつになっても目的や生きがいをもち、日常の中で人の役に立って「よかった」と実感する瞬間をもつ人のことなんです。
 
大澤
なるほど……。私も、美齢学とは「容姿」の美しさを追求するものだと思っていましたが、その人の生き方の美しさを磨くことを提唱したものだと知って少し意外な感じがしました。まさに、超高齢化が進む日本で、一番欠けているものを補おうっていうことですよね。
 
山野
そう、人はいくつになっても目的をもって生きることが大事です。会社にいた頃は仕事の成功や子どもの成長など明確な目標や喜びがあったのに、退職すると見失ってしまう人は多い。でも、例えば、趣味でゴルフとか料理とか打ち込んできたものがあれば人に教えられるかもしれないですよね。そこで私は「ただで教えるなよ」とアドバイスしたい。100円でも対価をもらうべきです。

日本人はお金の話を「卑しい」などと避けがちですが、働くことの意味をもっと真剣に考えたらそうはならないと思います。
 
大澤
確かにそうですね。人は生まれて、学校に入り、会社に入り、齢を重ねるわけで、人生のストーリーでつながっているんです。でも、日本では年齢で人を区切りたがります。年齢を重ねたら、重ねたなりの社会との関わり方があると思いますので、私も同感です。
 
山野
とにかく、誰のためであろうと学校を出てから65歳まで、40年以上も一生懸命働いて税金も納めてきた人は、次は自分のことに目を向けたらいいと思います。 さらに言えば、65歳過ぎても働く意欲のある人は所得税ゼロにしてほしいというのが私の意見。これ、誌面に掲載してくれますか?
 
大澤
すごく面白いし、ユニークな発想ですよ!世界最速で超高齢化が進み、人口も減っていることを考えたら、そのくらい大胆な施策を打たないと手遅れになってしまうと私もずっと感じてきました。誌面に掲載するも、しないも、「するな」と言われてもしますよ(笑)!
 
山野
知り合いの国会議員に言っても、「国に借金があって(無理)……」とか答える。どこの家庭でも家計のやりくりをしてるんだから、国民に選ばれた国会議員もちゃんとやりくりしろよと言いたいです(笑)。

今、生き方のシフトチェンジが必要……

大澤
モチベーションの問題ですよね?「65歳以上は所得税ゼロ」くらいのことを打ち出したら、「稼ぐぞ!」って気になり働くシニア層が増える。人生に張りが出るから、もっとお金を使うようになって、消費も活性化するでしょう!
 
山野
そうなんです。そして、美齢学を学べば、お墓に持っていけないお金をどこにどう使えば人生が面白く豊かになるかわかるようになるということを伝えたいんです。私の母・山野愛子は86歳まで「美しく生きる」ことのしあわせを訴え続けていました。私は美齢学を広めることで母の願いを実践したいと思っています。
 
大澤
山野愛子さんの想いは、装い、外見だけでなく、心の美しさまで追求していたことを考えれば、この理念(スピリッツ)を拡げたいというお気持ちよく判ります。美齢学の本質をもっと若い人にも学んでほしいですね。
 
山野
もちろん!人はみんな生まれたら必ず死ぬわけですから……。どうして人は年をとっていくのか、年をとったらどうなるのか、65歳からどう生きるか、健康寿命を延ばすにはどうしたらいいかを学ぶことで、いまを美しく生きる思考を育てることができます。
 
大澤
私見ですが、美齢学は学問というより、ビジネスとして拡げることで、その本質を拡散させることができそうです。 超高齢化が進むなか、独居老人も増え、介護が必要になったり、認知症を発症して、美容院などに外出するのも難しい人が増えてくるでしょう。 そこで、「オヤノコト」では、当社の理念「歳を重ねることを不安に感じない社会の構築」を実践すべく、福祉美容や訪問美容の分野でサロンさんと連携しながら地域貢献していこうと考えていますので、コラボして、美齢学の浸透をお手伝いできればと思います。
 
山野
「生きるほどに美しい」高齢化が進む今、齢を重ねてもイキイキと暮らせる社会を創ることが、日本の未来を明るくします。美齢学を学んだ人がそれを体現して広がってくれたら一番うれしい。山野学苑としても、これからの美容師の教育とともに現在活躍している美容師の再教育もしていきたいです。グレードアップした美容師さんを通して、美齢学の価値が正しく伝わるように努めていきます。
 
大澤
ジェロントロジーという単語もそうですが、老年学とか加齢学という日本語訳は我々にとってはとっつきにくくネガティブにとらえられてしまいがちのように思います。
 
山野
だから、私は敢えて日本語に訳さず、ジェロントロジーという言葉のまま普及に努め、ジェロントロジーを核として「生きるほどに美しく」をキーワードに、人生を生ききることを追求する美齢学を提唱したのです。もっとも、美容界の私が「美しく」と言えば、それは容姿のことだと思われるかもしれませんがそれだけではない。美しい人とは、いくつになっても目的や生きがいをもち、日常の中で人の役に立って「よかった」と実感する瞬間をもつ人のことなんです。
 
大澤
なるほど……。私も、美齢学とは「容姿」の美しさを追求するものだと思っていましたが、その人の生き方の美しさを磨くことを提唱したものだと知って少し意外な感じがしました。まさに、超高齢化が進む日本で、一番欠けているものを補おうっていうことですよね。
 
山野
そう、人はいくつになっても目的をもって生きることが大事です。会社にいた頃は仕事の成功や子どもの成長など明確な目標や喜びがあったのに、退職すると見失ってしまう人は多い。でも、例えば、趣味でゴルフとか料理とか打ち込んできたものがあれば人に教えられるかもしれないですよね。そこで私は「ただで教えるなよ」とアドバイスしたい。100円でも対価をもらうべきです。

日本人はお金の話を「卑しい」などと避けがちですが、働くことの意味をもっと真剣に考えたらそうはならないと思います。
 
大澤
確かにそうですね。人は生まれて、学校に入り、会社に入り、齢を重ねるわけで、人生のストーリーでつながっているんです。でも、日本では年齢で人を区切りたがります。年齢を重ねたら、重ねたなりの社会との関わり方があると思いますので、私も同感です。
 
山野
とにかく、誰のためであろうと学校を出てから65歳まで、40年以上も一生懸命働いて税金も納めてきた人は、次は自分のことに目を向けたらいいと思います。 さらに言えば、65歳過ぎても働く意欲のある人は所得税ゼロにしてほしいというのが私の意見。これ、誌面に掲載してくれますか?
 
大澤
すごく面白いし、ユニークな発想ですよ!世界最速で超高齢化が進み、人口も減っていることを考えたら、そのくらい大胆な施策を打たないと手遅れになってしまうと私もずっと感じてきました。誌面に掲載するも、しないも、「するな」と言われてもしますよ(笑)!
 
山野
知り合いの国会議員に言っても、「国に借金があって(無理)……」とか答える。どこの家庭でも家計のやりくりをしてるんだから、国民に選ばれた国会議員もちゃんとやりくりしろよと言いたいです(笑)。
 
大澤
山野総長のお考えを判りやすく伝え、行動に移してもらえるよう社会に浸透させていくことは弊社の理念とシンクロしているのでシナジーを生みそうですね。今日はありがとうございました。
 

(2019年4月23日)

対談を終えて

編集長より

「対談前は、美齢学とは(山野さんらしく)外見の美しさ、つまり、髪型とか装いを美しくすることだと思っていましたが、実際にお話を聞いてみると「精神(心)の美しさ」や「生き方の美しさ」が重要視されていると知り、「知の再武装」の本当の意義がわかって感動。

さらに、山野総長が提案する「65歳以上は所得税無税」という発想も一見とてもユニークに見えますが、それは極めて合理的な考え方で、私は思わず膝を打って共感しました。
今の日本に必要なのは、常識にとらわれないパッションと行動力=アクションだとインタビューをとおしてあらためて刺激を受けるインタビューでした。

編集長

profile

山野正義(やまの・まさよし)

学校法人山野学苑総長 
山野美容芸術短期大学名誉学長 

1936年、東京生まれ。1955年に渡米し、ロサンゼルス市ウッドベリー大学で経済学博士号を取得、生命保険会社勤務をはじめ数々のビジネスに従事し米国永住権も取得。フランス共和国大統領より国家功労勲章コマンドゥール(2011年)、フランス文化勲章オフィシェ(2012年)、旭日小綬章(2012年)などを受章。大阪大学大学院国際公共政策研究科招聘教授(2017年~)、青山学院大学学長アドバイザー兼AYジェロントロジー研究所顧問(2018年~)など多くの要職にあり、『美齢学 生きるほどに美しく』(2018年/朝日新聞出版)ほか著書も多数。

大澤尚宏(おおさわ・たかひろ)

「オヤノコト」編集長
(株式会社オヤノコトネット代表取締役)

「オヤノコト」編集長(株式会社オヤノコトネット代表取締役)
大学卒業後、株式会社リクルートを経て広告会社を設立し、日本初のバリアフリー生活情報誌『WE’LL(ウィル)』、子どものためのバリアフリー情報誌『アイムファイン』の創刊を手がける。2008年、超高齢社会の課題解決事業「オヤノコト・エキスポ」(後援:経産省、厚労省ほか)を立ち上げ、2009年、株式会社オヤノコトネット設立。「オヤノコト.net」「オヤノコト.マガジン」「銀座オヤノコト.塾」の企画・運営、介護離職問題のコンサルティング、企業のマーケティング支援や相談・研修事業などに取り組んでいる。近著は『そろそろはじめる親のこと』(自由国民社)

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