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ガラケーを使い続ける親世代。今後起こりうる生活上のトラブルや問題点とは

2018-07-02
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「電話連絡さえできればいい」と思っていませんか?

オヤノコト編集長 大澤尚宏先日、『オヤノコト.ステーション』において、「親と子供、スマホを使ってストレスフリ-」と題したセミナーが開催された。これは、情報ツールがガラケーからスマートフォンに切り替わる中で、その流れから取り残されつつある親世代の現状と、今後さらに起こりうる生活やコミュニケーション上のトラブルや問題点について考えようというもの。当日は「親が未だにガラケーを使用している」30代半ばの「オヤノコト」世代が集まり、親世代の現状やセカンドライフを見据え「親世代とスマートフォンの必要性」についてさまざまな意見が寄せられた。

スマートフォンの個人保有率は、60代で33.4%と急減!! 理由は「電話連絡さえできればいい」


今やスマートフォンは60代、70代でも使いこなしている人が増えている。その一方で、今でもかたくなにガラケーから変えないシニア層も多数存在する。調査によると、2016 年のスマートフォンの個人保有率は、20代で94.2 %、30 代で90.4 %、50 代でも66 % と過半数以上を占めている。しかし、60代になると33.4 %、70代では13.1 % という結果が出ている。

若年層の普及率が90% を超えたスマートフォン市場において、大手携帯電話事業者が今後、普及を推進したいと狙うのが60~70代超の親世代であることは容易に推測できる。しかし、この点においてはどの携帯電話事業者も成功しているとは言い難いのが現状だ。

知らないうちに、自分の親が、時代やコミュニケーションから取り残されてしまう恐れも!?

近年、高齢化と過疎化が進み人手不足に苦しむ企業やサービスも増えている。そのため技術の進歩を背景にさまざまなサービスがデジタル化し、拡大を続けている。大手スーパーの撤退の波が押し寄せる一方でネットスーパーが急激に普及、また、さまざまな行政サービスの集約や手続きのデジタル化が進み、医療行為の効率化や遠隔診療なども普及していくと予想される。そしてこうしたサービスの多くがスマートフォンをツールとして利用出来るようになるだろう。

また、LINEなどの無料通話・メールアプリの普及が進み、親世代の間でもトークグループを作って、活発なコミュニケーションを楽しむ人も増加している。しかし、「電話連絡さえできればいいから…」と、ガラケーのみを使っている親世代は、そうしたアプリのグループに入ることができない。そのため今回の講師であり、オヤノコト相談員である藤井亜也さんも、「知らず知らずのうちにコミュニケーションの輪から外れてしまう、もしくはさまざまな情報の波から乗り遅れてしまうといった、“時代&コミュニケーション難民”になる恐れがある」と警鐘を鳴らす。
 

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緊急時や非常時には、情報難民になる親世代を、子ども世代は救えるか?

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NHKもガラケーサイトを閉鎖

昨今、企業サイトの中にはガラケー用のホ-ムページを閉鎖、もしくはスマートフォン用のサイトしか用意していないというケースも少なくない。そのため、知りたい時に知りたい情報が得られず、緊急時や非常時はもちろん、日常生活でも不便を感じる場面が増えていくはずだ。年齢を重ね、外出先だけでなく、家の中でもさまざまな「まさか」が起きかねないだけに、家族や友達とのコミュニケーションツールとして、そしてなにか「困った!」が起きた時に役立つ情報ツールとして、親世代ほどスマートフォンを活用するべきといえるだろう。

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今回のセミナー講師を務めた藤井亜也さん

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ガラケーの使い方を忘れてしまった参加者

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講師との問答も活発に

スマートフォンを敬遠する親世代。その超えられない壁とは?

今回集まった「オヤノコト」世代の中には、「スマホを勧めたけど断られた」「そもそも必要性を感じないといわれた」といった経験を持つ参加者も。思った以上にスマートフォンを持つこと自体を嫌がる親世代が多いのだ。

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今、高齢者も使いやすいよう工夫されたスマートフォンも多数発売されているのだが…

では、スマートフォンを持たせたい子ども世代と、興昧・関心を示さない親世代の間で、親子のコミュニケーションにどんな不便・不満が生じているのだろうか。セミナー後に行われたディスカッションでは、「スマホを持たない両親」に対する不安や本音が聞けた。

参加者の両親は60代後半から70代後半。「タブレットは使っている」という方もいれば、「連絡は固定電話のみ、ガラケーすら持ち歩かない」という方など、その利用状況には大きな差が見えた。

その現状について多く寄せられたのが「スマホがあれば、もっと頻繁に孫の顔を見せてあげられるのに…」という声。実際「携帯はガラケーだが、父がタブレット端末を使っている」というAさんの父親(70代)がタブレットを購入したきっかけも「孫の顔を見ながら話ができるから」。なかなか会えない孫とのコミュニケーションは、スマートフォンやタブレットに興味・関心を示す大きなきっかけとなっている。

また、「パソコンがあるからスマホはいらない」という両親(60代)を持つBさんは、「災害時にインターネットが不通になった時が心配」だと危惧する。また、軽くてコンパクトなパソコンが増えたとはいえ、やはり親世代が持ち歩くには難点がある。その点、携帯性に優れたスマートフォンがあれば、「非常時・緊急時の連絡や情報収集の面でも安心だと思う」との声も。

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親世代のスマートフォン購入&使用には、「オヤノコト」世代のサポートが重要になってくる

その一方で「必要ない」「興味がない」とスマートフォンを敬遠する親世代の多くが「難しくて自分には使いこなせない」「通信料などの費用がかさむのではないか」といった“先入観”が大きな課題にも。

ご両親ともにスマートフォンに全く興味・関心を示さないというCさんも、「もう説得するのは難しいかも…」と思いつつ「両親と無料通話・メールアプリで連絡を取り合っている友人を見るとやっぱりうらやましい」と諦めきれない様子。「“スマホ=難しい、面倒”と思い込んでいる節があるので、実際に操作を体験してそのイメージが払拭できれば…。購入前にそういう体験ができる場所や機会が欲しいですよね」と嘆く。

とはいえ、やはり購入後、使いこなすためには「オヤノコト」世代のサポートが大きな役割を担うことになる。「一緒に量販店に行き、一緒に選んだ」「すぐに使えるように設定のサポートをしてあげた」「アプリの使い方をレクチャーした」など、購入や使用を少し後押しするだけでも、親世代の“やる気”も変わってくる。そしてそこには親子のコミュニケーションも存在することになるだろう。

また、なにより親世代がスマートフォンを所持し使うことで「オヤノコト」世代が親の生活に伴う不安感を解消でき、親も子に与える負担を軽減できるはずだ。例えば、体調が思わしくなく買い物に行けない時など、スマートフォンを使いこなせればネットスーパーを活用することもできる。また眼科や歯科などの専門医にかかることになった時に「近隣で評判の良い病院」を自分で簡単に検索することもできる。こうした日常の不安や不便を解消するためにも「オヤノコト」世代はもっと積極的にスマートフォンの利用を親世代に勧めるべきなのだ。そうした心配を解消するためにも、「オヤノコト」世代はもっと積極的に親世代に勧めるべきなのだ。

先にも述べたが多くのスマートフォンはガラケーよりも画面が大きく、アプリを使って簡単に情報を得ることができるので、スマートフォンこそ「親世代向き」だといえるだろう。まずはその「事実」を親世代に知ってもらうための仕組みづくりが必要不可欠といえるだろう。

今はまだスマートフォンとガラケーが共存しているが、何年か先の未来を考えた時、ガラケーユーザーの親世代がますます「時代・コミュニケーション難民」となっていく恐れがある。その時に今よりもさらに年齢を重ね、新たな操作を覚えることが一段と難しくなっている親世代――「本人にその気がないから…」と放置するのではなく、スマートフォンやタブレットと親世代との距離を縮めるためのサポートを根気強く続けていきたいものだ。

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このコラムを書いた人:「オヤノコト.マガジン」編集長 大澤 尚宏(Osawa Takahiro)
著書『そろそろはじめる親のこと』(自由国民社)

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