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親のため、自分のための「エンディング」考~「エンディング」(終活)は、人生の終わりではなく、前向きに生きるための活動

2019-01-31
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お墓のあり方や葬儀の方法など、メディアで頻繁に特集が組まれ、“終活ブーム”の様相を呈しています。
というものの、改めて親とエンディングについて話すこともためらわれる子世代も多いのではないでしょうか。子世代はどんな心がまえで、どんな準備をしておけば良いのでしょうか。
「オヤノコト」相談員でファイナンシャルプランナー・終活アドバイザーの髙井 豪氏にお話を伺いました。

人生をトータルにとらえて、「終活」を考えよう

「終活」という言葉が初めて使われたのは、2009年。そしてここ数年で急激に広まりました。終活と聞くと、葬儀やお墓のことだと考えて、その話題は避けたいという方も多いと思います。
しかし、私は終活をもっと広くとらえるべきだと考えています。それが、「介護」「年金」「保険」「相続」そして「お墓や供養」の5つ。これらが密接に関わってくるのです。
このうち、「介護」「年金」「保険」は生きるための情報、「相続」は生きているうちに必要なこと。そう考えると、「生きる」ことの大切さがわかるのが終活だとも言えます。
つまり、「終活」とは、「人生の終焉を考えること=終」を通して、「自分らしく前向きに生きるための活動=活」と定義できます。決して、終わりのための活動ではないのです。人生をトータルにとらえて終活を考えてほしいと思います。
日本は全人口の実に26%が65歳以上と、世界一高齢化が進んでいます。だからこそ、終活も欧米をお手本にするのではなく、私たちが終活のスタンダードをつくっていくべきではないでしょうか。

エンディングノートで親の想いを引き継ぐ

終活の最初のステップとなるのが、親を知ることです。そのためにおすすめしたいのが「エンディングノート」です。
エンディングノートの第一の役割は、想いを引き継ぐこと。親の想いを整理し、大切な人に想いを伝えるという作業です。幼いころのことを思い出すと、人生でやり残したことも思い出し、これからやりたいことが出てくるかもしれません。
またこれが人生の棚卸しとなり、どのようにして今の親となったのかを確認することができるでしょう。母親は、なぜ料理が好きなのでしょうか? 父親は、なぜ本が好きなのでしょうか? それが新しい行動を起こすきっかけになるかもしれません。
また、引き継ぐのは想いだけでなく、モノもあります。財産や持ち物をこれからどうするのかも考えてみてください。
そしてこの作業で発見したことを、具体的に家族に伝えるためにエンディングを考えましょう。
それが、介護や終末医療の希望を残したり、お葬式のかたちを決めたりすることです。エンディングノートが親子で話し合うきっかけになれば理想的ですが、きょうだいでわかる部分から埋めていき、それらを共有するのでも十分です。

親の希望を聞くことが、「オヤノコト」世代のためにもなる

お別れのかたちは多様化し、選択肢も増えています。親がどうしたいのか、お付き合いのある人とどうお別れしたいのかを聞いておくことは、あとをつなぐ私たち「オヤノコト」世代のためでもあります。「親の遺志を尊重して家族葬にしたあとで、親の友人たちが次々と自宅にお焼香をしに来てくださった。こんなことなら家族葬にしなければよかった」という声を聞くことも少なくありません。
簡略化した葬儀も増えていますが、死まで流行りに乗るのが良いことなのか。私たちが親世代になり、子どもが「オヤノコト」世代になったとき、子どもの心に何も残っていないとしたら、どうでしょうか?
もちろん、お金をかければよいというわけではありませんが、故人を見送る儀式を重んじることは決して悪いことではないと私は思います。生きることの本質にもつながる問題なのですから、いったん立ち止まって親子で考えてほしいと思っています。

伝えておきたいことをまとめておきましょう

自分のこと
例)好きな(苦手な)食べ物、好きな(苦手な)こと、大切なものなど 
これからのこと  
例)希望している暮らし方、叶えたいものなど
病気になったときの薬、主治医、延命治療、臓器提供など
介護が必要になったとき、介護してほしい人、介護されたい場所、費用など
葬儀の形式、宗教、依頼先、遺影、お墓など  
財産の相続・形見分けなど  
病気で入院したとき、危篤・葬儀の連絡をしたい友人・知人・親戚  
パソコン・携帯・日記などの個人情報の扱い  
ペットの世話をしてほしい人、かかりつけ医など
(「オヤノコト」相談員・髙井氏の資料に編集部が追記)
 

多様化する葬儀とお墓

〈 葬儀の種類 〉
一般葬:通夜と葬儀・告別式を行う、一般的な葬儀
家族葬:家族や親族を中心に、通夜と葬儀・告別式を行う、シンプルな葬儀
一日葬:葬儀・告別式のみで通夜を行わない
直葬:通夜、葬儀・告別式を行わない
お別れ会:葬儀後に、故人とかかわりのあった方を呼んで行う自由な形式のお別れ

〈 お墓 〉
一般墓 納骨堂 樹木葬 永代供養墓
散骨 ペットと入れるお墓

「オヤノコト」編集部が考えるエンデイングは、「親とのこれからの付き合い方を考えるもの」

親に葬儀やお墓のことは、切り出しにくいもの。
元気なときは、「そんなに早く死んでほしいのか」と言われてしまいそうですし、入院や介護が必要になったときだとさらに聞きにくい。親世代も、自分の葬儀については考えたくないはず。エンデイング(終活)=葬儀・お墓と考えると、どんどん狭まってしまいそうです。
そうではなくて、これからの長い時間、お互いを理解していっしょの時間を過ごすためのものと考えてみませんか? 
これからどうしたいか、いっしょにできること、楽しいことなどから考えていくのもひとつ。親との付き合いについて、もっとこんな話をしておきたかった、こんなことをしておきたかった・・・・・・と後悔する人が多いそうです。
お互い切り出しにくく本音も言いにくいのですが、コミュニケーションをとって、どうしたいかを共有しておきたいですね。お盆などで家族が会う機会に、もう一歩進んだ、親との付き合い方を話してみてはいかがでしょう?

お話してくださったのは

「オヤノコト」パートナー相談員 髙井 豪氏
(タカイインターナショナル代表)
「終活」というと、その内容の幅はとても広く皆さんが持っている課題はそれぞれ異なりますので、まずはどこに課題があるか? を知ることから一緒に始めましょう。
●資格:ファイナンシャルプランナー、終活カウンセラー上級インストラクター、終活アドバイザーほか

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